● どこにあるの?
人間の体では、水分の多い組織、つまり、皮膚や関節液、へその緒、心臓の弁膜、大動脈、腎臓、眼球に存在していることがわかっています。
また牛や鳥など他の動物にも存在しています。
逆に動物にしか存在していません。
ヒアルロン酸は、各組織に存在して、保水性により細胞間にたっぷり水分を蓄える働きやや弾力性によりクッションの働きをしたり、粘性と滑らかさにより関節などの潤滑剤になったりしているわけです。
● 何に使われているの?
現在、何と医薬品として使用されているものと、
化粧品等で使用されているものがあります。
<医薬品>
関節機能改善剤、眼科手術補助剤、点眼剤など医療現場で使用されています。最初はスウェーデンの企業により、初めて眼科用医薬品が開発されました。例えば、白内障の手術で人工レンズを挿入する際に使用されていて、欧州をはじめ現在は日本でも広くヒアルロン酸が使用されています。
白内障以外にも角膜移植や網膜はく離、緑内障など多くの眼科手術には欠かせない薬剤になっています。最近では、ドライアイに使用する目薬にも使用されていますので、確認してみてください。
眼科以外には関節の炎症などに使用されています。
ヒアルロン酸の「粘性」「潤滑性」「保水性」などを生かして関節炎、変形性関節症、慢性の関節リュウマチなどの整形外科領域で使われています。
他には、皮膚科ではやけどや切り傷に塗るクリームや注射剤、ガーゼなどが創傷治癒剤として応用されています。
また、ヒアルロン酸は体内の結合組織の中に浸透して、
それぞれの組織を一定の形に保つ働きがあるため、
外科手術後の体内組織の癒着(ゆちゃく)防止剤としても使われています
<化粧品>
1980年ごろからヒアルロン酸の基礎化粧品への応用が始まって、乳液、クリーム、化粧水、パックなど幅広く商品化されています。これは、ヒアルロン酸の保湿性、保水性を利用したものです。
まだまだなじみの無い女性も大勢いらっしゃりますが、
ヒアルロン酸には保水性のほかに水に溶かした場合の粘りにも大変特徴があり、この粘性を他の化粧品と組み合わせることによって、使用感が大変滑らかになることがわかっています。
しかも角質を柔軟にする働きもあり、スベスベで、
柔らかな潤いある肌になるのが特徴です。